2012-04-15

撮影の実践知識2 -自分で作る!PR映像制作ガイド-


【6-3撮影編3 撮影の基本3 移動撮影】

さて、今回は手持ち+歩いて撮影する場合の注意点です。

私たちプロの世界では、カメラを手持ちで、しかも歩いて移動させて撮影するケースは、
報道系やドキュメンタリー番組の場合にほぼ限ると言っていいでしょう。
ドラマやスタジオ撮影のバラエティ番組における移動撮影は、原則的にカメラはレール
上の台車かクレーンに乗って移動させます。


手持ち+歩きという撮影条件で撮った映像は、誰が見ても「歩いて撮っている」ことが
わかってしまいます。そのため、プロの制作現場では、事件現場の取材映像のように、
あきらかに撮影者がそこに行って「歩いている」ことが当然である場合か、ドラマでの
「歩いている主人公の目線を映像で表現する」ようなケースでしか、手持ち+歩きの
撮影を行わないのが大原則です。

と言ったところで、企業内部でPR映像を制作するときに、ドリーやクレーンなどの特機を
用意するというのも難しい話です。移動しながら撮影しなくてはならない場合は、どうし
ても手持ち+歩き、ということになるでしょう。

手持ち撮影の一番の問題点は、映像のブレです。
しかし、カメラを手で持って歩いて撮影しているときに、絶対に映像をブレさせないように
するというのも不可能です。
最近の「手ぶれ防止機能」は非常に優れていますが、それでもレールの上を進んでいる
ようになめらかな動きでは撮影できません。

▲手持ち+歩き撮影 注意しないとブレまくり

手持ちで撮影する場合のポイントは、まずカメラを持つ腕になるべく力を入れずに保持して、車のサスペンションのように歩きのゆれを吸収するようにしましょう。
次に、映像に映っている景色の中心を、なるべく動かさないことです。
多少ゆれてしまうのは仕方ありませんが、カメラ(=映像)の中心が大きく動くと、見る人は
「映像が揺れてしまって見にくい」という印象を持ってしまいます。

映像の中心(業界用語で「センター」と言います)を極力、動かさない。
これが手持ち+徒歩で撮影する場合の基本です。


▲映像の中心は、撮影している間は極力ずらさない

次回は【6-4撮影編4 撮影の基本4】
カメラのズーム機能を使って撮影するべきかどうか、です。



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