2011-04-22

原発事故 何かが隠されている・・・んじゃないと思う。

むかし、こんなことがありました。

1985年8月に発生した日航ジャンボ機墜落事故。
その事故調査にあたった、運輸省(当時)の航空事故調査委員会が、情報公開法施行を前に、
調査に使った原資料をみんな破棄してしまった。

これが一部新聞などで報道されると、運輸省に対する批判がおこり、
また何かと疑惑とかが多いこの事故では、「やはり政府は何かを隠そうとしている。」
「本当の事故原因は別にあり、それがバレる前に証拠隠滅を図ったのだ。」
というような声も上がっていたのを覚えています。

そんなできごとを見ていて、私はぼんやりと考えていました。

たぶん、役所は何も隠してないだろうな。と。


破棄した理由は、所定の保存期限が切れたためでした。

それが、本当のことで、他に理由はないだろうと思ったのです。
でも、ここで何も政府や官僚を擁護しようとしているのではありません。

私がそう思ったのは、今まで国レベルから地方まで、いわゆるお役所の仕事を
数多くやってきて、何人もの官僚の方々と接した経験からでした。

はっきり書いちゃいますが、
お役人にとって、一番大事なことは 「何も考えず、所定の手順をこなすこと」 それだけです。
事故調査資料の保存期間が切れたら、それは破棄する。ただそう行動するだけです。

何かを隠そうなんて、考えないんです。
逆に、未曾有の大事故の資料は、規定にかかわらず残すべきだ。とも考えません。
あるいは、ここで捨てたら批判されるなぁ。とか、陰謀論者が騒ぐなぁ・・・とも考えない。

ただ、定められているので、そうする。そこに思考は入りません。

それが役所の行動規定であり、役人の行動原理です。経験上、断言してもいいです。

だから、こう思うのです。
福島第一原発の事故。なんで情報が不明瞭なのか、対策が善後策的なものばかりなのか、
避難している人の支援や補償が、なぜ遅れる、なぜ決まらない?

それは、定められていないから。だと、私は思っています。

行動の原理原則を失った人間は、迅速かつ適切に行動することはできません。
所定の何か、がないと動けない。そういう事態に陥っているのだろうと、私は思います。

危機管理マニュアル、なんてものがある。
何か起きたら、そのマニュアルにしたがって行動するよう定められている。
じゃあ、それを逸脱するような想定外の、マニュアル無効な事態には、どうする・・・?
何もない・・・そして、何もないと、動けない。

(念のため)
東京電力はいちおう私企業だけど、実態はほとんど役所です。

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